曲目解説

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 うえだまゆみ独断と偏見の、曲目解説です。MIDIデータ化に際しての、言い訳も列記してあります。
 鑑賞の手引きにならないですが、ご一読いただければ幸いです。

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クロード・ドビュッシー[C.Debussy]作曲
アラベスク第1番[Arabesque No.1]
 ドビュッシー初期のピアノ曲、2つのアラベスクの1曲です。
 アラベスクとは、アラビア風装飾様式のことで、植物や動物、幾何学図形などを連続させた一種の唐草模様のことです。ルネッサンス期にヨーロッパに入って広がったものです。
 曲の感じ、音の並びがアラベスクの模様を連想させることから、この曲のタイトルが付けられたとのことです。

 ドビュッシーは、北斎の浮世絵に影響を受けて、交響詩「海」を作曲したと言われています。かなり浮世絵に影響を受けた作曲家でもあります。

 この曲は冨田勲氏のアルバム「月の光」に収録されていて、初めてこの曲を聴いたのも、このアルバムでした。その後、ピアノ譜を手に入れ、何とか弾けるようになりましたが、今は弾けるかどうか定かではありません。
 初めてパソコンでMIDI化に挑んだ曲で、いかにも打ち込みといわんばかりの表情乏しい演奏となってしまっています。
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クロード・ドビュッシー[C.Debussy]作曲
[Reverie]
 ドビュッシー初期のピアノ小品。この曲には「夢想」とタイトルが付けられたレコードやCD、楽譜があるようです。
 ドビュッシーのかなり初期の作品ですが、ロマンチックなとてもいい曲です。

 この曲も冨田勲氏のアルバム「月の光」に収録されていています。
 アラベスク第1番同様、いかにも打ち込みといわんばかりの演奏です。
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クロード・ドビュッシー[C.Debussy]作曲
雪は踊っている[Snowflakes Are Dancing]
(『子供の領分』第4曲)
 ドビュッシーが続きます。ドビュッシーのピアノ曲、「子供の領分」の1曲です。
 この曲は「子供の領分」の4曲目に当たります。「子供の領分」は、「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」「象のこもり歌」「人形へのセレナード」「雪は踊っている」「小さい羊飼」「ゴリウォーグのケークウォーク」の6曲からなっています。なお、「子供の領分」には、すべて英語のタイトルが付けられています。
 暖炉のある暖かい部屋の中から見る、ちらちらと降る雪を表現してあります。雪に埋もれた風景を見ながら、小鳥や花はどうしているのだろうという気持ちと雪の降る様が、不安定な音の並びとなって現されています。

 この曲も冨田勲氏のアルバム「月の光」に収録されていています。
 冨田勲氏のアレンジに影響を受けましたので、音もチャイムのような音を使っています。
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クロード・ドビュッシー[C.Debussy]作曲
月の光[Clair de lune]
(『ベルガマスク』組曲 第3曲)
 ドビュッシーの初期のピアノ組曲、「ベルガマスク」組曲の3曲目に当たる曲です。
 「ベルガマスク」組曲は、「前奏曲」「メヌエット」「月の光」「パスピエ」の4曲からなっています。
 煌々とあたりを照らす、空の高いところにある満月の風景。この曲からそういうイメージを受けますが、いかがでしょう。
 ドビュッシーが生涯愛した印象派の詩人、ヴェルレーヌの詩集「華やかな宴」の「月の光」に影響を受けて作曲されたそうです。

 この曲も冨田勲氏のアルバム「月の光」に収録されていています。
 この曲も打ち込みのデータではありますが、それなりに表情を付けてみました。
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ルードビッヒ・ヴァン・ベートーヴェン[L.v.Beethoven]作曲
ピアノソナタ第14番嬰ハ短調作品27-2『月光』より第1楽章
[PIANO SONATA No.14 in C-SHARP MINOR, Op.27-2 "Moonlight" Adagio sostenuto]
 ベートーヴェンのピアノの教え子、伯爵令嬢のジュリエッタに捧げた曲。
 この曲を聴くと、湖畔を静かに照らす、空の低いところにある月をイメージします。

 思いっきり打ち込みというデータで、素材にしかならないような演奏データです。
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モデスト・ペトロービッチ・ムソルグスキー[M.Moussorgsky]作曲
プロムナード[Promenade]
(組曲『展覧会の絵』)
 建築家で画家のヴィクトール・ハルトマンの遺作展覧会を、親友であったムソルグスキー自身が見て回る様を現した組曲が、「展覧会の絵」です。
 「プロムナード」は「散歩」などと訳されている場合もあります。プロムナードは曲と曲の間に現れるフレーズで、展示されている絵を見終わって、次の絵に移るムソルグスキー自身を現していることから、そう訳される場合もあるようです。プロムナードはムソルグスキー自身が受けた絵の印象を現していて、受けた印象により大きく表情が変わります。
 ここにある「プロムナード」は、組曲の冒頭です。ラヴェル編曲のオーケストラ編では、トランペットが印象的な曲なのですが、驚くことにこの組曲は、もともとピアノ曲なのです。

 この曲も、冨田勲氏のアルバム「展覧会の絵」に影響を受けましたが、あえてピアノのままの雰囲気でMIDIデータ化してあります。
 相変わらず、思いっきり打ち込みの様相を呈しています。
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ジョニー・ハイケンス[J.Heykens]作曲
セレナード[Serenade](小夜曲)
 オランダ北部クローニンゲンの町にある印刷所に生まれた、ハイケンス。15歳までこの町で音楽教育を受け、その後ドイツのケルン音楽学校でヴァイオリンや作曲を学びました。
 第2次世界大戦末期に祖国オランダへ帰るまで、ドイツで活躍したようです。しかし現在、祖国のオランダでハイケンスの名前もこの曲もあまり知られてはいないようです。

 この曲が日本で親しまれるようになったのは、第2次世界大戦中の頃。このころNHKラジオで放送されていた「前線へ送る夕べ」という番組のテーマ曲として使われてからです。当時発売された、この曲が収録されたレコードが飛ぶように売れたそうです。
 原曲は、ヴァイオリン、チェロ、ハープの演奏で、ここで公開しているアレンジは、小学校の頃、学校の器楽合奏コンクールでこの曲を演奏したときの楽譜を元に行い、MIDIデータ化しています。ヴァイオリンをフルート系の音、チェロを電子オルガン系の音、ハープはハープ系の音を使用しました。

 また、国鉄当時から客車の車内放送チャイムとして、この曲の一部が使われているということから、広く知られてもいるようです。現在でも24系などの客車寝台列車の車内放送で、このチャイムを聴くことができます。アレンジは、このチャイムも意識しています。
 軍隊が24時間制を使っていたので、鉄道もそれに合わせて24時間制で時刻を表すようになりましたが、この車内放送チャイムも軍隊に関係のあった番組、「前線へ送る夕べ」から来ているのかも知れません。
 それにしても印象的なフレーズとはいえ、車内放送チャイムで利用されているフレーズは、曲の中途半端なところを切り取ってあるような気がしてなりません。
 鉄道ファンなら、タイトルかこのフレーズのどちらかは知っているという曲です。

 ドイツでの活躍が長かったハイケンスは、親ドイツ派と見られてしまい、終戦後連合国に逮捕されてしまいます。翌日、獄中で謎の自殺を遂げたハイケンス。「前線へ送る夕べ」のテーマ曲となったセレナードで、戦争中人々の心をいやしたハイケンスもまた、第2次世界大戦の尊い犠牲者の一人だったのです。
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フレデリック・フランソワ・ショパン[F.Chopin]作曲
12の練習曲 第3番 ホ長調 作品10-3[Etude in E Major Op.10-No.3]
 「12の練習曲第3番」、なんて書くよりも「別れの曲」と書いた方がピンと来る曲だと思います。
 映画のテーマ曲などにも使われた曲で、よく知られているショパンの名曲の1曲です。

 いただいたキーボードを使ってMIDIデータ化しましたので、それまでの打ち込みとはちょっと雰囲気が違うかと思います。
 祖母が他界したときに作ったデータです。
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フレデリック・フランソワ・ショパン[F.Chopin]作曲
夜想曲 第2番 変ホ長調 作品9-2[Nocturne in E Flat Major Op.9-No.2]
 ショパンのノクターンといえば、この曲を挙げる方も多いかと思います。
 この曲も映画などで使われています。

 この曲も、いただいたキーボードを使ってMIDIデータ化しました。
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クロード・ドビュッシー[C.Debussy]作曲
パスピエ[Passepied]
(『ベルガマスク』組曲 第4曲)
 再びドビュッシーです。「ベルガマスク」組曲で、「月の光」の次の曲、終曲になります。
 パスピエとは、17世紀頃パリで流行したフランスのブルターニュ地方の舞曲です。

 この曲も冨田勲氏のアルバム「月の光」に収録されていています。
 冨田勲氏のアレンジに影響を受け、可能な限り近づけてみました。打ち込みで作ったMIDIデータです。
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滝廉太郎[R.Taki]作曲
憾(うらみ)[Urami(Regret)]
(『日本風の主題によるピアノのための二つの小品』)
 23歳という若さでこの世を去った、滝廉太郎の遺作です。1903年2月14日の日付が、自筆楽譜に記されています。終焉の地、大分で作曲されました。
 当時不治の病だった結核に冒され、志半ばで他界しなければならなくなった作曲者の思いが込められているピアノ曲です。タイトルの「うらみ」という「音」には、おどろおどろしい響きがありますが、「憾み」には「残念に思う」という意味があり、曲のタイトルにその思いが集約されています。
 「花」が有名な組歌「四季」や「荒城の月」「箱根八里」を作曲したわずか3年後に、このピアノ小品を残し、滝廉太郎は亡くなります。

 この曲に表情を付けると、データを作っている本人が辛くなってくるので、打ち込みであえて無表情な演奏データにしてあります。
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滝廉太郎[R.Taki]作曲
[Hana(Cherry Blossom)]
(組歌『四季』第1曲)
 日本で作られた初の本格的な合唱組曲、「四季」の第1曲です。女声合唱の曲でもあります。大変有名な曲なので、一度はお聴きになったことがあるかと思います。なお組歌「四季」は、「花」「納涼」「月」「雪」の4曲からなります。
 ただ、意外とこの曲のタイトルを正確に言える人は少ないような印象を受けています。武島羽衣の「春のうららの隅田川」で始まる歌詞で、タイトルの「花」は、あまり印象的ではない言葉となっているのが、仇となっているような感じです。
 日本の名曲の1曲に、間違えなくはいる曲だと思いますが、いかがでしょう。余談ですが、うえだが日本の名曲として挙げる曲に、冨田勲作曲の「新日本紀行のテーマ」も入れています。この曲は著作権などの問題があり、残念ながらMIDIデータ化してはいません。
 滝廉太郎といえば「お正月」「荒城の月」などの曲を挙げられる方もいらっしゃると思いますが、うえだは「花」をいちばんに挙げます。
 日本独特の暗いイメージを与える短調、俗に言う「ヨナヌキ調」を完全に脱したうえ西洋音楽の模倣とは違う、日本的情緒が織り込まれた初の曲と言えます。
 残念なのは、「花」だけがよく知られ、演奏されていて、他の3曲があまり知られていないということです。

 いかにも打ち込みといったデータとなっています。
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エリック・サティ[E.Satie]作曲
ジムノペディ第1番[Gymnopedy No.1]
(3つのジムノペディ)
 ジムノペディとは、古代ギリシャの都市スパルタのディオニソス祭で、戦死した戦士を弔うときに踊られた「裸の踊り」のことで、この曲のタイトルはそこからヒントを得て付けられています。
 この曲も、一度は耳にされたことがあるかと思います。
 このジムノペディ第1番と第3番は、後にドビュッシーにより管弦楽曲に編曲されています。

 打ち込みのデータでも、それなりに聴けるような感じです。
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滝廉太郎[R.Taki]作曲
メヌエット[Menuetto]
(『日本風の主題によるピアノのための二つの小品』)
 「四季」や「荒城の月」、「箱根八里」とほぼ同時期に作られた、ピアノ曲です。

 いかにも打ち込みという感じの曲データは、相変わらず抜け切れていません。
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フレデリック・フランソワ・ショパン[F.Chopin]作曲
ピアノソナタ 第2番 変ロ短調 作品35 より第3楽章
[Piano Sonata No.2 in B Flat Minor Op.35 3rd Movement Marche funebre, Lento]
 ピアノソナタ第2番第3楽章、大変有名な「葬送行進曲」です。
 ピアノソナタ第2番の中で、一番最初に作曲されました。

 ソナタとは、4つの楽曲からなる特定の様式に従った器楽曲のことです。通常、ソナタの第3楽章は、メヌエットやスケルツォなどの舞曲となります。ショパンのピアノソナタ第2番は、様式に従うことなく、自由な形で作られています。形式を重んじた他の作曲家に、痛烈な批判を受けたことがあるようです。
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